稽古場レポート 遠藤班2
1/16(水)ゆりの木ホール3階にて稽古が行われた。参加者は制作者の遠藤さん、出演者の川村さん、豊田さんの全員。
9:20 ストレッチ開始。プレ公演を振り返りながら今日の稽古内容を決める。
9:25 日常会話をしながら2人が絡み合って動くパート
プレ公演のとき、「会話から生まれる動き」というよりは「踊り」になってしまっていたようだ。「会話から生まれる動き」にするにはどうすれば良いか話す。
豊田:言ったことに動きがマッチしてた方がいいですか?
遠藤:いや、そんなにマッチしてなくてもいいかな。なんだろうな、しゃべってる会話の行き来があるじゃん。だからその長さと質感を身体に置き換えたいって感じ。キャッチボール的な…言葉でも投げかけたらそれを返すとか、逆に投げかけるっていうのを体重の掛け合いとかでやりとりしたい。
(中略)
遠藤:体重の掛け合い?体重の掛け合いじゃないよね、もっと会話ってライトだよね。
川村:相手のどっかを動かすとか?
遠藤:動かすというよりイメージ的には払ってる感じ。なんかもっとリズミカルな感じ!こういう感じ。(やってみる)
豊田:え、でもリズミカルにやるとダンスみたいになるんじゃないですか?
遠藤:そっか、それだと会話じゃないか…
9:34
「朝、何食べた?」のような、とりとめのない会話をしながら動いてほしい、と遠藤さん。
それを踏まえてやってみるが、会話の一文が長くなってしまい動きにくい。会話の内容は変えず、動きにルールを決めてもう一度やってみる。
*ルール しゃべってる人だけが動き、もうひとりは相づちを打つときだけ動く。
9:42
会話の内容(セリフ)が決まってる方がやりやすいという意見があり、既存のセリフを使って動いてみる。
*ルール しゃべっている人が相手の手を掴む。掴まれた人は掴まれた手を振り払ってからしゃべる。振り払ってから相手の身体の一部を触る。
遠藤さんも参加してやってみる。会話を考えながら動くのは難しそうだった。
振り払う動きを入れると会話じゃなくなるのでは?という意見があり、体重の掛け合いのような動きを考える。
9:49 オン(しゃべってる人が相手に力をかける)とオフ(力を抜いた状態・無)の関係で実験する。
*ルール 相手の形を変えに行く。相手にどういうポーズをとって欲しいかを明確にしてから動かす。
このルールを取り入れ、夕飯の話をしながら動いてみる。
10:00 街を歩くシーンへ
たくさんの人がいる中のひとりだということを意識して歩く。お互いの存在を感じられるところは感じて、コンタクトしたりしなかったりする(日常のコンタクト)。でも同じ目的地に向かってるイメージ。
遠藤さんが「街でティッシュもらったらどうなの?カフェを見たらどう思う?目の前の街の風景がどう映ってる?」などとダンサーに問いかける。ダンサーはそれぞれ自分なりのイメージを持って動いているようだった。
10:10 街の雑踏の音をかけながら同じシーンをやってみる。
10:17 別のシーンに移る。相手に触れずに、手で相手の身体をなぞる動き。
お互いに触れているのか触れていないのか、見ている人が分からないくらいところから始め、だんだん距離をとる。離れていっても相手の存在を感じながら動く。
相手に触れずに動くのは難しそうだったが、2人が常にお互いを感じながらうまく動いていた。
10:30 稽古終了
身近な“日常”をテーマに、映像身体学科で学んできた身体表現を活かして作品づくりをしているように感じた。また、表現していることは同じでも、少しアプローチを変えるだけで全く違う動きが生まれるのが面白かった。
この作品はインプロ(即興で動く)が多いこともあり、今後も実験的な稽古が続くようだ。本番ではまた一味違った“日常”の世界が見られそうで楽しみだ。
(担当:中根佑希海)