1/22(火)、夜の三鷹駅付近の公会堂で、浅野井・杉田班の稽古が行われた。

今回は演出の立場から杉田がレポートする。

リハーサルまでの稽古も、今回を含めて残すところ2回となりながら、到着した俳優から雑談混じりに稽古場の準備を始める。厳しい緊張は見られず、本番の近づきを感じさせない穏やかな雰囲気である。

この雰囲気も、ある点で作品作りに大きく関わっているように思われる。

それはこの後の場面に現れている。

稽古で演出は前回までの稽古の進行を参照しながら、シーンごとの俳優の振る舞いを反省的に見て、それを指定し直したり、新たに追加したりする、この繰り返しが、基本的な劇作の工程になっている。今回の作品では、これまであまり扱ったことのない形式内容に手を出しているが、それでも方法をあまり変えていない。というか、それ以外の方法を知らないのでとりあえず地道に進めている。

稽古が進むと、すでに説明されたシーンの枠組み(場面の状況と上演の狙い)の中で、それぞれの演技を見た俳優たちがお互いに指摘し修正し合う姿が見られた。

つまり、演出が細かく指定するのではなく、大まかな枠組みと狙いを設定し、その中で舞台上に登場する俳優が組織的に自己修正を行うのである。これは冒頭に記したような雰囲気が稽古場にあるから可能になるのではないだろうか。

正直なところ、この効果は演出が意図していたものではない。しかし原則として、枠組みが俳優に伝わっていれば、あとは彼らが何をしても基本的には問題はない。俳優がそれぞれの機能として細かな振る舞いを付け足して行けば良い。万が一それが全体の効果を損なうものであれば取り除けば良い。

稽古の後半には一度、通し稽古を行った。30分の作品が終わると、演出がそれにコメントをつける。ここでも俳優との意見交換が行われ、それにより方向性が決定する。

いくつかの修正点を残して、次回の最終稽古、それに続いてついにリハーサルを迎えることとなった。こう思うとやはり緊張もするが、やはりいつものペースで進めたいと思う。