2018年11月8日4限、鏡が設置されているN231教室での稽古だった。

この日は二階美羽さん、向井夏鈴さん、伊藤百花さんの出演者全員が揃った。

15:00 稽古開始。向井さんによる振り写しが行われる。ユニゾンの振付のようで、三人が同じ振りを踊る。主に腕を使い、上半身を滑らかに扱う振付であるが、カウントをきちんと刻み、しっかりと揃えることに重きを置いている印象。

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15:14 構成の説明を交えながらの振りの確認。やはりトリオの構成は組み方が難しいと感じた。

15:16 向井さんによる振り写し再開。先ほどの振りよりも、ダイナミックに身体を遊ばせる。手で顔をしっかりと覆いながら、床に膝を下ろしていく動作は、感情を直接的に表しているように見える。そんな振りの直後、三人はお尻を寄せ合って左右に振りだした。このシーンには前後の振りともギャップを感じ、どこか滑稽にも思えた。

15:33 向井さんの振付をすべてマーキングしていく。構成も同時進行で確認。とてもスムーズに進み、稽古の集中力がとても良い。確認後、動画を録りながら、今日の部分を一回通してみる。

15:51 二階さんによる振り写しの開始。民族音楽と思われる歌を口ずさみながら行われる。歌詞を三人で確認しながら、シンプルな振りのフレーズを繰り返していく。振り写しのため、曲を使用していないのではなく、実際に歌を歌いながら踊るようである。

民族の特徴的な表情の型を伝え、鏡を見ながら練習してみる。二階さんがそれぞれの得意な表情を見極め、選択していく。口をへの字にしたり、舌を思いっきり出したり、眼を見開くなど、特徴的な表情である。

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16:07 二階さんの振付を最初から確認し、その後動画撮影。

16:15 作品全体の構成について話し合う。各自が振りを考え、持ち込むという制作の方向性が良いのか探っている様子。

16:22 稽古終了。

三人とも鍛えられた身体が美しく、長く細い手足をうまく振りに活用しているように思う。

今回の稽古では、向井さんと二階さんの二人が振り写しを行っていたが、直接的なもの、抽象的なものの振りが混在しており、バランスのいい作品に仕上がりそうな印象を受けた。振りの方向性や選択肢が絞られず、視野を広く持って創作できるのが共作の利点かもしれない。今後の展開にも期待したい。

(担当 西えみり、豊田ゆり佳)