2018年12月20日(木) ゆりの木ホール3階にて稽古が行われた。参加者は作品制作者の豊田さん、出演者の大堀さん、西さん、和久津さん。稽古見学2回目であるこの日は、稽古中の会話に着目してみた。

12:30 邦楽のパートを練習。3人が交代で真ん中に行き、1人ずつ踊る。曲をかけて通す。

12:37 通しを踏まえ、豊田さんがひとりずつアドバイスする。

前回の稽古場見学に伺ったときに苦戦していた痙攣の動き。どうやったら痙攣のような動きができるのか、今回も試行錯誤していた。

イメージは…虫が身体の中にいる感じ・身体の各部分からしびれるように・腹筋でキープしてブルブルする感覚 

13:23 曲をかけて通す。

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13:27 別の振りに移る。4人それぞれに割り振った役割をもとに動いてみる。

〈豊田さん、大堀さんの2人が目で会話するパート〉

豊田 : 出てきて運ぼうとするじゃん、で、見て…(動作で説明)

豊田 : たぶんこうやってやんないじゃん、きっと。たぶんリアルだとこう…

豊田・大堀 : 笑笑

大堀 : え、こうじゃない?

豊田 : 目線?だけ?目線で会話してみて。

豊田 : ゆりかと会話してるんだけど、その荷物を運ばないといけなくて、それをなつきはわかってる。でもゆりかはわかってなくて…みたいな。

(中略)

豊田 : 何て伝えたらいいかなあ…

「なつきは合ってる。こっちがミスしてる。」 みたいな。

13:42 

〈西さんが歩いてきて倒れるパート〉

西 : 倒れる動機がわかんない。

豊田 : 意味合いとしては、普通の人間で、歩いてるんだけど、気絶するときにモノになる、荷物になる。

西 : ″ダダダッ″て倒れたほうがいい?

豊田 : ″ダダダッ″ってどんな感じ?

西 :″歩いて止まる!″みたいな。それから…

豊田 : いや、″ハン″って感じがいい。そこのところで、人間からモノに変わる瞬間。

13:43 全員で通してみる。

13:48コンタクトのシーンへ。どのような動きにするかはまだ決まっていないようだ。

4人全員がお互いに体重をかけ合い、即興で動いてみる。

西 : 水って形はない。目に見えにくい。柔らかい。4人で一つの塊。

豊田 : 1人だけ孤立する人が出るのをやめたいんだよね。

豊田 : ものを入れてみる?ペットボトルとかを落とさないようにする。

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14:25 

〈呼吸とカウントによって4人で動きを揃える〉

和久津 : 出そうと思うとちゃんとした呼吸ができないんだよね。

西 : わかるわかる、逆に辛くなる。

和久津 : 音を出す呼吸と音を出さない呼吸は違う。

西 : 音を出す呼吸と音を出さない呼吸と苦しさ度合いが違う。普段踊る時に普通の呼吸で踊れるから。

和久津 : 歌いながらやってる感じ。

豊田 : なにか技術やる前って緊張するから、その前にこうやって(吸う)やってから始める。

難しいんだね。音に合わせて呼吸した方がいいかな。ダイアナの時とか、こうやってる。(つま先立ちの状態から息を吸うと同時に片足を後ろに上げ、一瞬バランスを取る。)

西 : 人によってちょうどいいリズムが違うかもね。だから、振付ってなると歌を歌っているような感じになっちゃうのはすごくわかる。このリズムがいつもの呼吸だったら違和感なくできるかも…

14:45 稽古終了

できないこともメンバーみんなで共有し、それぞれの得意分野を活かして教えていく様子が見られた。また「この動きのときはこんなイメージで」と、ひとつひとつ丁寧に考えながら作品をつくっていた。それぞれのシーンがどのようにつながってひとつの作品になるのか、今から楽しみだ。

(担当:中根佑希海、杉本音音)